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  • 執筆者の写真をかしわらマルシェ

をかしわら探訪 マジカルレーシング

をかしわらマルシェです。

先日、3月14日のマルシェで初出店していただいた、国分東条町の株式会社ヤスオカさん。あざやかなレーザー発色のミニチュアマンホールが印象的でしたが、こちらの製品をご覧ください。



サーキットにすっくと立つ彼女、株式会社ヤスオカさんのお隣に位置する、マジカルレーシングさんのアイドルキャラクター「マジカちゃん」(コースターは非売品)です。


そう、マジカルレーシングさんは、FRP(繊維強化プラスチック)、なかでもカーボンFRPでレーシングバイクの外装パーツ等をつくっておられる会社です。 

時には時速300kmでの競り合いをするレーシングバイクにおいて、空気抵抗を減らし、揚力を利用するカウルは車体の性能に直結。加速重視か、ストレートでのスピード重視かでも求める形状がかわります。

昔は金属製だったカウルですが、今はABS樹脂(プラスチックの一種)や、FRPが主流です。プレス加工で大量生産できるABS樹脂製カウルは市販車に多く使われています。また繊維としてガラスクロスを用いたFRPもよく使用されますが、レーシングバイクで使われるカウル、パーツ、ホイールには、より丈夫、より軽いカーボンクロスを繊維として使用。マジカちゃんコースターの下にしかれているのがカーボンクロスです。




綾織、平織のカーボンが、樹脂で整形されて使用されています。カウルの性能を引き出すために、ライディングポジションも考慮して、車体の各パーツの形状も最適化。徹底して機能を追い求めたチャンピオンのバイクがサーキットへと向かいます。


さきほど、ABS樹脂製カウルはプレス加工で大量生産できると書きました。

では、FRPはというと……、ハンドメイド品なのです。

棚にずらりとならぶ型の数々。これに手作業でカーボンクロスを貼りこみ、樹脂を浸透させて硬化させます。硬化剤の混ぜ方、かたまるまでの時間、温度湿度によって変わるこれらを計算しながらの手作業。型もまた手作業での製作とのことで驚きです。



手作業ですから大量生産には向きませんが、機能を引き出す細やかな造形と、カーボンならではの強度と軽さ。




「工業と工芸の間です」


とおっしゃったのがとても印象に残っています。


自分がレースに出るために始めたものづくりが、作り継がれ乗り継がれて、新しい製品、新しい機能を生み出してゆく。

社屋の中にずらりとならんだ、旧車の数々と今から新しくパーツの装着を待つ車両がそれを物語っているようでした。



レーシングバイクだけでなく、市販車に装着できるカーボンパーツや、宅配用のデリボックス、工業製品の立体デザインなど多様なものづくりをしておられます。



クロスカブ対応デリボックス、めちゃかわいくて、荷物いっぱいつんで長旅したくなったり。これでお弁当の宅配したりしたらすごくいいなぁ、とか。


Twitterではマジカルレーシングさんとヤスオカさんのわきあいあいとしたやりとりと、ほんわかな雰囲気ながら、モノづくりへの情熱ががんがん伝わってきますので、ぜひフォローしてみてください。


Twitterアカウント

マジカルレーシング @magicalracing

ヤスオカ @yasuoka4331


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FRP(繊維強化プラスチック)

軽いけど変形しやすいプラスチックに、補強材として繊維を埋め込むFRP。

強さの性質の違う材料を組み合わせて、よいとこどりする素材はあちこちで使われています。鉄筋コンクリートなんかもその一例ですね。

さて、「工業と工芸の間」とおっしゃった言葉で、古来からの繊維強化樹脂が、ぽん、と頭の中に出てきました





粘土の型に麻布を樹脂(漆)で覆い固めて整形する脱乾漆。奈良時代の工房でたくさんつくられた仏像がこの技法です。

麻布にかわってカーボンを、漆にかわってポリエステルを。貼りこんで整形して型をぬく。

FRPと脱乾漆に直接のつながりはないんでしょうけれど、素材がかわりつくるものがかわっていっても、モノづくりの精神がずっと作り継がれ受け継がれているように思えて、とてもわくわくしたのでした。

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